いわゆる「アベノミクス」は、「期待への働きかけ」が功を奏して、前週の段階で対ドルの為替レートが96円、株価は日経平均で1万2,000円台と効果を発揮し始めている。
2%のインフレ目標が設定され、日銀の首脳交代に伴う金融緩和強化の期待も相まって、市場参加者が「近い将来の実質金利が低下する」という期待(=予想)を形成して、円安・株高に向かっている。この動きは合理的であり、単なるムードだけによるものではない。
この場合、「期待」と言っても、将来のインフレの実現を直接予測したものではない点に、少々注意が必要だ。市場参加者は、いつ、どの程度実現するか分からないインフレの予想にお金を賭けているのではない。
このパターンは、学習能力のある投資家なら、昨年2月の「バレンタイン緩和」(日銀が1%のインフレ目標の目処を発表した)へのマーケットの反応から十分予測できたはずのものだ。
筆者は、現時点での株価はまだ「バブル」の範疇ではないと思っている。民主党政権時代の株価がひどすぎたのであって、最近の株価上昇は、主にそれを修正したに過ぎない。
しかし一方で、現在の状況は、1986年頃の状況に似ていると感じている。
1986年は、前年のプラザ合意に続く急激な円高の影響で景気はパッとしなかったが(実質成長率は投資としては低い2.8%)、金融緩和による「カネ余り」(この頃に登場した言葉だ)を背景に、株価が大きく上昇した(日経平均で約42%)。現状とは、「円高+不況→金融緩和→株高」という点が似ているが、類似点はこれだけではない。
翌1987年は、米国でブラックマンデーの大暴落が起きた。日本株もこれに連れて大きく下げたが、この時、日本政府・日銀は「日本が世界の需要を牽引する」必要性を自認して、金融緩和を継続する。
終わってみると、87年は株価が約15%上昇した。その後は、88年に約39%上昇、89年にも約29%上昇という、後から見ると無理かつ余計な株価上昇を示現するバブルの経路に入る。
- アベノミクス効果で、「バブル前夜」1986年の状況に似てきつつある | 山崎元「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]
現状が1987年以降の状況と似ているのは、「少なくとも、消費者物価上昇率が2%を超えるまでは、誰も金融緩和を止められない」という予想が可能な点だ。87年は国際的配慮で、今回は国内要因でという差はあるが、金融緩和状態がまだまだ続く状況は同じになる公算が極めて大きい。
バブルは、信用拡大と、この信用で生じた資金が資産市場に向かうことで発生する。しかし、信用、すなわち借金で作ったポジションなので、相場的には長く維持できない「弱いポジション」だ。
割高な価格を持ちこたえられなくなるので、バブルは崩壊し、その過程で、信用の劣化、すなわち不良債権を生む。これが、金融危機と金融機関が傷んだことに伴う「貸し渋り」による不況を導く。
バブルの規模は、資産市場を裏付けとした信用拡大がどの程度のものになるかで決まる。貸し付けないし担保の対象に関して、信用の供給者(金融機関)が「リスクはそれほど大きくない」と誤認する仕掛けがあれば、バブルは大きなものになる。
1980年代後半の日本のバブルの過程では、「日本の地価は下がらない」という”土地神話”と、事業会社が特定金銭信託やファンドトラストを通じて「財テク」が可能になったことに加え、「握り」(運用を引き受ける側が利回りを保証する行為)の慣行の存在によって、不動産融資でも財テクの資金調達でも、貸し手と借り手の双方がリスクを過小評価していた。
先般の、サブプライム問題からリーマン・ショックを経て金融危機に至った一連のプロセスの前段には、金融工学を用いた不動産ローンの証券化商品が、実態以上にリスクを小さく見せることに成功していたことが、不動産に向けた過剰な信用拡大と不動産価格のバブルを生む背景として存在した。
金融ビジネス及び金融マンの行動原理を考えると、金融緩和状態だけでもそこそこのバブルは起こりうるが、そのバブルが本格的に大きなものになるためには、何らかの「リスクを過小評価する仕掛け」、いわば「バブルの仕掛け」が必要なのだ。
- アベノミクス効果で、「バブル前夜」1986年の状況に似てきつつある | 山崎元「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]
ビジネスパーソン、特に金融で働く人間の立場から日本経済の現状を見ると、バブルを起こすには絶好のコンディションだ。挑発的な言い方を許してもらうなら、ここでバブルの種を思いつかないなら、ビジネスパーソンとして「一流」とは呼びがたい。
筆者は「一流」ではないので、まだ先が見えていないが、バブルの種として有力なものはいくつか思いつく。
一つには、エネルギー関連だろうか。日本近海のメタンハイドレートの実用化は相当に先だとしても、米国のシェールガスにはかなり現実的な効果が期待できそうだ。エネルギー関係の投資案件、あるいはベンチャーなどは、世界的な大風呂敷の対象に育つ可能性がある。
この他に大風呂敷が可能な対象として、環境ビジネスが挙げられる。隣の中国が深刻な環境問題に悩んでいることや、炭素ガスの「排出権」取引の市場形成などを睨むと、環境関連の投資が大きなビジネスとなる可能性があるだろう。
医療や介護のような高齢者向けのサービス業にも、可能性があるかもしれない。もちろん、都心部を中心とした不動産バブルや、しばらく低調だったIPO(株式新規公開)を中心とした株式バブルのような、既視感のある工夫の乏しいバブルがそれなりに膨らむ可能性もある。
政策金利を操作する通常の金融政策も、期待に働きかけると共に量的緩和の加減をコントロールする新型の金融政策も、基本的には、物価と景気・雇用に対して最適に用いることが好ましい。
この観点から生じる金融政策の緩急に、資産市場の価格形成に対して望ましい政策が適合するのであれば、悩みはない。しかし、たとえば「物価上昇率はまだ低いが、株価などの資産価格は明らかにバブルだ」といった状況が発生した時には、どうしたらいいか。
こうした場合に必要なのは、「物価・景気」に割り当てる政策と、「資産価格(のバブル)」に割り当てる政策とを、別のものにすることだ。株価の高騰が問題であれば、信用取引の条件を引き締めるような政策が考えられる。また、不動産価格の高騰が問題なら、不動産を担保とする融資の条件を厳しくすればいい。
- アベノミクス効果で、「バブル前夜」1986年の状況に似てきつつある | 山崎元「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]
また、バブル崩壊の際の主な問題は、金融システムの安定性が脅かされることなので、金融機関のリスクテイクや自己資本に対する監督、あるいは、システムの安定性を確保する対策といった、金融システム対策を別途強化するということでもいい。野放図な融資を行ったり、国債の利回り変動リスクが管理できなかったりしたせいで危機に瀕した金融機関を、将来、公的資金で救済するような「モラルハザード」を繰り返すのは愚かなことだ。
アベノミクスの今後には、「バブルだ!」と言いたくなるようなブームの到来を期待したい。しかし他方で、バブルへの対策が十分にできていない中で、日本経済がバブル形成に向かうことへの心配もある。
ともあれ、当面は強力な金融緩和が必要であり、「心配」に対しては今後、本当にバブルが起こりつつある段階で、バブルの本体に働きかける対策をすみやかに取ることが必要だ。
われわれ(日本人)は、次こそは上手くやることができるだろうか?
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「悩む理由が値段なら買え、買う理由が値段なら止めておけ」
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ここに100位ぐらいまでリブログしておきました。
http://notes-rank2012.tumblr.com/
集計はAPIでゴリゴリ集めてソートして、2012年に投稿されたものか確認してって感じです。人気のありそうな10のtumblrから136,419post集めました。tumblrのリアクション数は不安定な時があるので抜けがあっても怒らないでください。
私の書いたクラスタ分けの記事が入ってて嬉しい。
- (via cineraria)
1111億円。その高額落札に不動産関係者は息をのんだ。2月末、ソニーが東京都品川区に持つ自社ビルを三井不動産系のREIT(不動産投資信託)最大手、日本ビルファンド投資法人などに売却したと発表した。
日本ビルファンド関係者は「久しぶりの大型案件を落札できてよかった」と声を弾ませた。これに対し、冒頭の不動産関係者は「5年後にはあのビルからソニーが出ることになっている。もう少し慎重な金額でよかったのではないか」と暗に高値づかみを示唆した。
一方で、そう指摘される水準まで踏み込まないと買えない訳もあった。
「これはバブルの始まりなのか、それとも下がり過ぎからようやく適正水準に戻っただけなのか」――。
不動産関係者の間でもまだその判断は定まっていないが、不動産市場が久々の活況に沸いていることだけは間違いない。昨年9月まで1000を割っていた東証REIT指数は、わずか半年足らずで1400まで跳ね上がった。
図1をご覧いただきたい。現在の不動産市場に参入している主なプレーヤーをまとめたものだ。
「リーマンショック後しばらくは、どのファンドマネジメント会社もローンを調達しづらく、投資家から資金を集めることもできなかった」(荒木治彦・三菱地所都市開発業務部副長)というが、今や状況は様変わりした。
数年前までは新興デベロッパーや外資ファンドが国内不動産市場における最大の買い手だったが、今は国内REITが取って代わった。
こうしたREITへの資金の出し手となるのが、国内の個人投資家や海外投資家なのだが、実は一番REITに殺到しているのは、地方銀行や信用金庫だ。
- 外資ファンド、富裕層が動き出した! 投資マネーが日本の不動産市場に流入|今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ|ダイヤモンド・オンライン
彼らはリーマンショック前もREITに投資していた。2008年に不動産のミニバブルが崩壊して痛手を負ったが、運用難から再び参戦してきている。
地銀はREITを通じて不動産に投資しているほか、様々な不動産プレーヤーが物件を取得するための融資も積極的に出している。
「昨年あたりからメガバンクだけでなく、地銀や信託銀行も交えて金利のダンピング合戦が起きている」とメガバンク幹部はこぼす。
金融緩和でカネは腐るほどあるが、優良貸出先はほとんどない。そこで、反転し始めた不動産市場にマネーが流れ込んでいるのだ。
ローン環境がよいことに加えて「これからオフィス賃料が上昇していくというレポートも出ており、今が安値での買い場と考える投資家は少なくない」(久一康洋・三井不動産投資顧問投資営業部次長)。
しかし、売り物がさほど出てこないのが現在の悩みだ。
理由は簡単で、08年のミニバブル崩壊後、多くの新規開発案件が凍結に追い込まれたことに加え、バブル崩壊前に購入した物件は取得金額があまりに高く、今売ると大きな損失が出てしまうからだ。
銀行は不動産融資に積極的だからローンの借り換えには困らない。もう少し価格が上がってから売ろうというわけだ。
その上、優良物件の多くは不動産大手とその系列のREITが押さえている。物件が動いたとしても、市場には出ず、系列関係の取引で終わってしまうケースが多い。
その結果、かつて東京のランドマーク的物件を次々に取得していた外資などの不動産ファンドは、買い意欲はあるものの、思うように物件を取得できないでいる。
目端が利く外資ファンドは東京で買えないならと、「大阪や福岡などの地方都市でマンションやホテル、物流施設などを買う動きを見せている」と米系不動産サービス大手のシービーアールイー(CBRE)インベストメントプロパティ本部のアンディー・ハーファート・エグゼクティブディレクターは指摘する。
- 外資ファンド、富裕層が動き出した! 投資マネーが日本の不動産市場に流入|今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ|ダイヤモンド・オンライン
水面下では中国やシンガポールなどアジアの富裕層も積極的に日本市場に触手を伸ばし始めた。
米系の不動産会社、ジョーンズ ラング ラサールは昨年末からシンガポールで日本のマンション販売会を実施している。
多いときで来場者はなんと100組。「これまではロンドンなどの物件を買う動きが主だったが、アベノミクスや円安で東京が見直されている」という。5000万~7000万円クラスの高額物件が飛ぶように売れていく。
今後、日本市場に出てくると予想されるのが海外の年金基金。手持ち資金が大きいため、REITに投資するというよりは、むしろ大きな物件を直接、狙うだろう。
カネ余りなのに、売り物が足りない。そんな状況の中、久々に1000億円の大台でオフィスビル売買が成立した案件こそ、冒頭のソニーの自社ビルだった。
3月5日にはパナソニックも、東京都港区に持つ自社ビルを三井住友ファイナンス&リースと日本ビルファンド投資法人に約500億円で売却した。
資金調達難などで凍結されていた開発案件も動き始めている。
例えば銀座。メインストリートである中央通り沿いの銀座1丁目に、オリックス不動産と米系ヘッジファンドのエリオットが建設を進めている商業ビルがある。元は別の米系ファンドが保有し、再開発する予定だったが、リーマンショックのせいで頓挫していた。
今後も、こうした凍結案件が動き出すのは間違いなく、売り物も徐々に出てくると思われる。
テナントの出店意欲も旺盛だ。特にリーマンショック後、出店が止まっていた海外ブランドは復活の機運が高い。高級ブランドのバリーは銀座に再出店したし、お菓子のシナボンは一度、日本から撤退したが、再上陸を果たした。
現在はマネー先行で盛り上がっている不動産市場だが、実需が追い付いてくれば、さらなる上昇は必然。急上昇して、小さなバブルで終わるのか、実需の裏打ちによる力強い成長になるのか。業界関係者は固唾をのんで見守っている。
- 外資ファンド、富裕層が動き出した! 投資マネーが日本の不動産市場に流入|今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ|ダイヤモンド・オンライン
世界が債券から株式へのグレート・ローテーション(大転換)に揺れています。株式へと大移動した投資マネーが次に狙うのは、不動産市場です。
折しも日本国内では、資産バブルを志向するアベノミクスによって、下火だった不動産熱がにわかに高まっています。
1990年前後の土地バブル、そして外資ファンドなどが主導した2000年代後半の不動産ミニバブルという2度の熱狂とその後の崩壊を経て、熱はすっかり冷めていましたが、風向きは変わりました。
不動産サービス大手のジョーンズ ラング ラサールは、東京の不動産が上昇局面入りしたと予測しています。実際、都心のオフィス市況は底を打ち、反転の兆しが出てきました。J-REIT(不動産投資信託)も活況です。
三度、土地バブルの時代が到来するのか。『週刊ダイヤモンド』3月23日号では、「不動産マネー動く!」と題し、日本の不動産をめぐるプロたちの蠢きを徹底取材。
さらに、REITの基本が丸分かりの超入門講座や上げ相場のタイムリミット分析など、沸騰するREIT市場を解明しているほか、プロにこっそり教えてもらった賢い物件投資術についても紹介しており、まさにニッポンの不動産の“今”を濃縮した特集になっています。
(『週刊ダイヤモンド』副編集長 山口圭介)
- 外資ファンド、富裕層が動き出した! 投資マネーが日本の不動産市場に流入|今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ|ダイヤモンド・オンライン
The European Central Bank has cut its eurozone growth forecast to minus 0.5pc this year and warned of glacially-slow recovery in 2014, but refused any fresh stimulus to mitigate the slump.
ECBはユーロ圏の今年の成長見通しを-0.5%に下方修正し、2014年の回復も氷河の如く鈍いだろうと警告しましたが、不況緩和のための刺激の追加投入は一切行わないとしました。
The bank’s governing council held interest rates at 0.75pc, though a cut was discussed. The tough stance comes as the eurozone faces a second year of outright contraction, with the jobless rate reaching a record 11.9pc.
ECB政策理事会は、引き下げ議論はあったものの、金利を0.75%に据え置きました。
ユーロ圏が全面的景気後退2年目に直面する中で、しかも失業率が史上最高の11.9%にタッチする中で、この強硬姿勢は示されました。
The ECB’s president Mario Draghi decried the “tragedy” of mass unemployment but insisted that monetary policy cannot resolve the problem.
マリオ・ドラギ総裁は大量失業を「悲劇」と評しましたが、金融政策でこの問題は解決出来ないと言い張りました。
He said the “positive contagion” that has swept financial markets over recent months has yet to feed through to the real economy but predicted that growth would pick up later this year.
同総裁曰く、金融市場全域にこの数ヶ月間広まっている「好影響」はまだ実体経済までフィードされていないとしながらも、成長は今年中に持ち直すだろうと予測しました。
“He has to sound optimistic and put the best foot forward because that is his job, but we think the ECB will have to cut rates sooner or later, and then move on to quantitative easing,” said Marchel Alexandrovich from Jefferies.
ジェフリーズのマルセル・アレクサンドロヴィチ氏はこう言います。
「総裁は楽観的っぽくなくちゃいけないし、出来るだけ良い印象を与えなくちゃいけないんだよね。だって、それが仕事なんだから。でもさ、ECBは遅かれ早かれ利下げをやって、それから金融緩和に動かなくちゃいけなくなるよ」
The ECB expects inflation to fall to 1.3pc next year but the underlying rate is significantly lower given the distorting effects of austerity taxes. Any error would raise the risk of slow slide into a Japanese-style trap.
ECBは来年のインフレ率は1.3%に下落すると予測していますが、緊縮下での税制による歪み効果を考えれば、本当のインフレ率はもっともっと低いのです。
一歩間違えば、日本式デフレの罠にゆっくりと落ちていく危険性は高まるでしょう。
“Europe is heading into a deflationary scenario if they don’t do anything to boost the money supply,” said Lars Christensen from Danske Bank. “This already looks very similar to what happened in Japan in 1996 and 1997.”
ダンスク・バンクのラーシュ・クリステンセン氏の言です。
「マネーサプライにけりを入れることを何かしない限り、ヨーロッパはデフレ・シナリオまっしぐらだよ」
「もう既に1996年と1997年の日本で起こったこととそっくりじゃないか」
The Japanese discovered that they were acutely vulnerable to an external shock once inflation had fallen below 1pc for a protracted period.In their case the East Asian crash of 1998 tipped them over the edge into a serious crisis.
インフレ率が長期間に亘って1%を下回ると、日本は自分たちが外的ショックに対して極めてぜい弱であることに気付きました。
日本の場合、1998年の東アジア金融危機によって深刻な危機へと突き落とされました。
Eurozone lending to companies has fallen by €100bn over the last six months, and small firms are struggling with a severe credit crunch across the Club Med bloc. Mr Draghi said there were no plans to introduce a variant of the Bank of England’s Funding for Lending to channel money where it is most needed.
ユーロ圏の法人与信は過去6ヶ月間に1,000億ユーロも減少しました。
中小企業は地中海クラブ全域を襲う深刻な信用不況に青息吐息です。
ドラギ総裁は、最も必要なところにマネーを送り込むための、イングランド銀行のFunding for Lendingのような制度を導入する計画は一切ない、と言いました。
Critics say the ECB has persistently under-estimated the severity of the downturn, and has failed to offset drastic budget cuts with monetary stimulus. Both levers of policy are set on contraction, with bank deleveraging compounding the effect.
批判者に言わせれば、ECBはずーっとこの不況の深刻さをなめてきた上に、大規模な財政支出削減を金融刺激でオフセットすることもしていない、そうです。
どちらの政策レバーも緊縮にセットされています。
しかも銀行のデレバレッジが事態に拍車をかけています。
There is a risk that the bank may be caught out again this year. German industrial orders fell 1.9pc in January, dashing hopes of German-led rebound.
今年も銀行が窮地に追い込まれるかもしれないリスクがあります。
1月、ドイツの産業受注は1.9%減少し、ドイツ主導リバウンドの期待は潰えました。
Christine Lagarde, head of the International Monetary Fund, said it is too early to assume that the worst is over. “Clearly the world economy avoided collapse last year. I am very concerned that, by moving into a semi-complacent mood, people risk a relapse,” she told the Irish Times.
IMFのクリスティーヌ・ラガルド専務理事は、最悪の時は脱したなどと思うのは時期尚早だと言っています。
「明らかに、昨年、世界経済は破綻を免れましたけどね。私はとても心配なんですよ。半分自己満足しちゃったような状況になることで、逆戻りしちゃうかもしれないでしょ」と専務理事はアイリッシュ・タイムズ紙に語りました。
The Catholic charity Caritas called for radical change in the eurozone’s whole crisis strategy, saying the current course was self-defeating and “putting the very legitimacy of the EU at risk”.
カトリック教会の慈善団体、カリタスは、ユーロ圏の全体的な危機戦略の抜本的変更を呼びかけ、現在の路線は自滅的かつ「EUの正当性そのものを危機にさらしている」としました。
It said child poverty had reached dramatic levels in Ireland, Spain, Italy, Portugal and Greece, while deep cuts to welfare have left the most vulnerable stripped of a safety net. It said the chief victims bore no responsibility for the crisis, a breach of natural justice.
曰く、子供の貧困はアイルランド、スペイン、イタリア、ポルトガル、ギリシャで劇的レベルにまで達する一方、社会保障の大々的縮小で最弱者のセーフティーネットが奪い去られたとのこと。
また、主に被害を被っている者に今回の危機の責任はない、自然的正義に反するとしました。
The crisis has engulfed France where a key gauge of the money supply — six-month real M1 — is contracting at an annual rate of 6.6pc and flashing graver warning signs than in Italy or Spain.
危機はフランスを飲み込みました。
同国では6ヶ月実質M1が年率6.6%で減少中であり、イタリアとスペインよりもやばそうなワーニング・サインが点滅しています。
Figures out today showed that French unemployment rose to a euro-era high of 10.6pc in the fourth quarter, with the total looking for work near 3.7m.
今日公表されたデータによれば、2012年第4四半期のフランスの失業率はユーロ時代最高の10.6%まで上昇しており、求職者の数は370万人近くに上っています。
France’s BVA confidence index plunged 12 points last month. Some 75pc of households fear that the economy will deteriorate over the next year. It is the worst reading since President Francois Hollande took power in May with a pledge to kick start growth and break the back of unemployment.
BVA信頼感指数も先月は12ポイントも下落しました。
家計の約75%は、来年も経済は悪化するのではないかと危惧しています。
これはフランソワ・オランド仏大統領が2012年5月に、経済成長をキックスタートし失業を粉砕する、と誓って大統領に就任して以来、最悪の数値です。
The Figaro said the French jobless rate is now higher than at any time in the 1930s, when farm ties and the empire acted as a safety valve.
フィガロによれば、フランスの失業率は今や1930年代よりも高いそうで、当時は農家のつながりや帝国が安全弁の役割をしていました。
“France is on the brink economic implosion,” said economist Christian Saint Etienne, warning that a state sector nearing 57pc of GDP rendered the country unfit for of EMU.
「フランスは経済崩壊目前だよね」とエコノミストのクリスチャン・サン・エティエンヌ氏は言って、GDPの57%近くを占める公的部門のせいでフランスはユーロにそぐわなくなっていると警告しました。
Mr Draghi deflected questions over Italy’s political crisis, leaving it unclear whether the ECB can back-stop the bonds of a country with no functioning government and no likelihood of complying with the rescue conditions.
ドラギ総裁はイタリア政治危機に関する質問を避けて、まともな政府もなければ支援条件を守る見込みもない同国の債券相場をECBが支えられるのかどうかをはっきりさせませんでした。
Some 57pc of Italians voted for an end to the EU-imposed cuts. Pier Luigi Bersani, the most likely premier, vowed on Wednesday to rip up austerity plans and push for growth.
イタリアの約57%が、EUの押し付けた緊縮政策終了を支持する票を投じました。
ピエル・ルイジ・ベルサーニ議員(最も首相になりそうな人物)は水曜日、緊縮政策の計画は破棄して経済成長を推し進めると約束しました。
The ECB bond purchases — known as the OMT — require activation of the eurozone bail-out fund and a vote in the German Bundestag. “The rules are what they are. The ball is entirely in the government’s hands,” he said.
ECBの国債購入(OMT)をやるには、欧州安定メカニズムの稼働とドイツ連邦議会の承認が必要です。
「規則は規則だし。あとはもう完全に政府次第だよね」と総裁は言っています。
Italy was no closer to a government last night. Comedian Beppe Grillo stepped up his firebrand rhetoric, warning of “violence on the streets” if his Five Star Movement fails to deliver civic revolution.
イタリアは昨夜も政府発足に程遠いままでした。
コメディアンのベッペ・グリッロ氏は毒舌攻撃を激化させて、5つ星ムーブメントが市民革命を実現出来なきゃ「暴動になるぞ」と警告しました。
Mr Grillo said he had not decided whether Italy should leave the euro. “I want correct information. I want a plan B for survival for the next ten years. And then, with a referendum we’ll decide,” he said.
グリッロ氏曰く、イタリアのユーロ離脱については決断していないそうです。
「正しい情報が欲しいんだよ。これからの10年間、生き延びるためのプランBが欲しいんだよ。それからだよ、国民投票やって決めるのは」
The latest ‘Target2’ data from the ECB shows that the country saw capital flight of €34bn to the rest of the eurozone in February, the biggest outflow for a year. The Bank of Italy has built up settlement liabilities of €256bn. Bond markets appear relaxed but somebody in Italy is wiring large sums of money abroad.
直近のTarget2データによれば、2月にイタリアから他のユーロ圏諸国に逃げ出した資本は340億ユーロに上ったそうですが、これはこの一年間で最高額です。
イタリア中銀の未決済債務は2,560億ユーロになりました。
債券相場はリラックスしているようですが、イタリアにいる誰かさんは巨額の資金を外国に送金しています。
最近、メディアで「安倍バブル」という言葉を見かける。対象としては、昨年暮れから(正確には、野田佳彦前首相が「やりましょう」と解散に言及した11月14日の翌日から)最近までの株価上昇と円安を指しているわけだが、使われ方のニュアンスが2通りあるようだ。
1つは、「バブル」という言葉を使って、上げ相場で一儲けしたいと考える潜在読者を刺激したいという目的に基づく「煽り」だ。背後には、ある週刊誌が約1ヵ月前の特集に「安倍バブル」と謳った号で大いに売り上げを伸ばしたので、その週刊誌ばかりでなく、他誌もこれに追随した特集を組むようになった、という事情がある。
「うちも、今は、これで行かざるを得ないのですよ」と、ライバル誌の取材記者が言っていた。
もう1つのニュアンスは、現在までの株価の上昇に対する批判を含んでいる。安倍政権になって、まだほとんど何もしていないのに、株価が上昇するのはおかしいではないか、「これは、中身のない株価上昇だ」と言っている。
今の株価を後から「中身がない株価上昇だった」と振り返ることが絶対にないとは言わないが、経済の実態が大きく変わったわけでないのに「期待」を反映して株価が上がることはよくある現象だ。
たとえば、1980年代の後半に起こった日本のバブルの始点は1986年だった。この年、株価は日経平均で42.6%も上昇して、年末には1万8701円だった。このとき、前年のプラザ合意から大きく進んだ円高の影響もあり、企業業績はパッとしなかったが、金融緩和の進行と一段の緩和への期待を背景に、株価は大いに上昇した。
当時、筆者は、投資信託のファンドマネージャーとなって最初の担当ファンドを運用し始めた頃だったが、「カネ余り」という言葉が、ちらほらと聞こえ始めたように記憶する。
次の図は、経済状況と資産価格の変化を、時計の針の回転に喩えて説明したものだが(説明は楽天証券のホームページ掲載の拙稿を参照されたい)、経済と資産価格が「9時」を回って「10時」に向かう際には、株式市場用語で言うところの「金融相場」による株価の上昇が起こり、これに企業の業績や成長率で見た景気が、十分追いついていない場合が多い。
ここから先、筆者の定義での「バブル」と言えるところまで、株式をはじめとする資産の価格が上昇するのかどうかは、まだわからないが、昨年末から今年にかけてのここまでの推移は、経済と相場の循環としては、典型的なものだ(前述の図参照)。
日本経済の現状は「9時」を回りつつあるところだろう。バブル崩壊以来、日本は、主として金融引き締めバイアスのため、「9時」をはっきり回ることができなかった。
最も近い「残念」は、サブプライム問題がきな臭かった海外の要因もあったが、これを的確に「フォワード・ルッキング」(当時の福井日銀総裁の言葉)できずに、金融緩和の終了からゼロ金利解除に突っ走った2006年だった。
ちなみに、先んじて大規模に金融緩和してきた米国経済は10時を回り、問題解決には時間がかかりそうだが昨年が「最悪期」だったように見える欧州経済は7時といった辺りではないか。
筆者が妥当だと思っている「バブル」の定義は、「長期的には継続不可能なほどの(資産)価格の高騰状態」というものだ。
ここで「長期」が具体的にどれくらいの期間を指すのかが問題だが、一般論として「数年」としておく。感覚的には「2、3年」と言い切ってみたいところなのだが、ここまで保たない場合もあるし、これを超える場合もある。
さて、後述のように、現在の日経平均で1万1000円程度の状況を、筆者は「バブル」だとは思っていない。
かつてのバブルを知る者からすると、「バブルとは、この程度の生やさしいものではないよ」と一言いいたくなる。
バブルの生成と崩壊のメカニズムについては、別の機会に詳しく書いてみたいが、「金融緩和」はバブルにとって「必要条件」だが、「金融緩和」だけでは本格的なバブルは起こりにくい。
バブルが本格化するには、金融ビジネスがリスクを過小評価して信用を拡大させ、この資金が資産市場に向かう「バブルの種」(=リスクを誤認させる仕掛け)が必要だ。
これは、80年代後半の日本バブルでは、通称「握り」という利回り保証(当時も違法だが、一般的な取引慣行だった)を伴っていた「財テク運用」(事業会社による、大規模に借り入れを行った株式運用)と、日本の地価は下がらないという「土地神話」だった。
また、1990年代後半に米国で起こったネット・バブルでは「ネットビジネス神話」が、サブプライム問題から2008年のリーマン・ショックに端を発する金融危機に至る米国の不動産バブルは住宅ローンの「証券化商品」が、実際には存在するはずのリスクを小さく見せる仕掛けとなっていた。
金融ビジネスは、これらの仕掛けを隠れ蓑にして、顧客や株主にリスクを取らせて信用を拡大し、金融マンが大いに稼いだのだった。
現在の、せいぜい「アベノミクス相場」が、本格的な「安倍バブル」になるためには、「大胆な金融緩和」は必要条件として、どこかの誰かがもう一工夫することが必要だろう。
筆者の心の中には、「久しぶりにバブルになるのは面白い」という期待が半分、またバブルになってその崩壊の悪影響を被るのはたまらないという警戒感が半分あるが、「これから何が出るのか?」については大いに注目している。
良し悪しを別として、多くの場合、資産価格と経済は単なる「ブーム」をオーバーランして「バブル」に至る(原因は、主として、金融ビジネスと金融マンのインセンティブと行動によるものだと筆者は考えている)。今回はどうなるのが興味深いが、まだかなり先の問題だ。